執筆・編集:開業の献立編集部 公開日: 最終更新: 編集・広告ポリシー

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マネーフォワード クラウド会計は飲食店法人に合う?料金と機能に関する準備のイメージ

飲食店を法人として運営し決算書を作るなら「マネーフォワード クラウド会計」、個人事業主として所得税・消費税の申告だけを行うなら「マネーフォワード クラウド確定申告」を選ぶ。名前が似ているだけで対象・料金・機能表はまったく別であり、現金・カード・QR決済が混在する飲食店では想定より仕訳数が膨らみやすいため、契約前に自店の取引量に合わせてプランを見積もる必要がある。

事業形態製品選ぶ条件
法人の店舗運営仕訳数、利用者数、部門・店舗管理、税理士との共有を確認する
個人事業主の申告消費税申告、証憑の処理件数、電話支援の要否を確認する

法人の帳簿か、個人の確定申告か——まず事業形態で製品を分ける

マネーフォワードが提供する会計系サービスは、法人向けの「クラウド会計」と個人事業主向けの「クラウド確定申告」に分かれており、料金プラン・利用人数の考え方・申告書の種類まで異なる。開業時点でまだ個人事業主なら確定申告を比較対象にし、法人化を予定しているなら切替時のデータ移行や税理士との共有方法まで含めて検討する。会計ソフト全般の比較は飲食店の会計ソフト選びで、個人事業主側の深掘りはマネーフォワード クラウド確定申告の個別解説で確認できる。

マネーフォワード クラウド会計

マネーフォワード クラウド会計の公式サービス紹介
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法人向けの料金は3段階で、表示価格はすべて税抜。ひとり法人プラン(経営者1名まで、1会計年度の仕訳数500件まで)は年払い2,480円/月(一括29,760円/年)・月払い3,980円/月。スモールビジネスプラン(利用者3名まで)は年払い4,480円/月(53,760円/年)・月払い5,980円/月。ビジネスプラン(4名以上は従量課金で無制限)は年払い6,480円/月(77,760円/年)・月払い7,980円/月。いずれも初期費用0円、1ヶ月の無料トライアルはクレジットカード登録不要で自動課金もない。

プラン間の機能差は仕訳数だけではない。部門管理はひとり法人・スモールビジネスが2部門・1階層までだが、ビジネスプランは部門数無制限・2階層まで作成できる。AI-OCRでの入力上限はひとり法人30件/月、スモールビジネス60件/月で、月101件以上は20円/件の従量課金になる。消費税申告書の作成と、帳簿残高と口座残高の突合はビジネスプランのみの機能であり、インボイス対応で課税事業者になった店舗はスモールビジネス以下では申告書作成までソフト内で完結しない点に注意する。なお公式ページでは2027年6月に料金体系の一部改定を予定していると案内されているため、契約直前に最新の料金表を再確認する。

向くのは、経営者1名が自分で仕訳を入力し、現金・キャッシュレスの集計粒度が粗い1店舗目の法人。複数店舗・部門別の損益管理や消費税申告をソフト内で行いたい法人はスモールビジネス以上を基準に比較する。

マネーフォワード クラウド確定申告

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個人事業主向けは3プラン、表示価格は税抜。パーソナルミニプランは年払い900円/月(一括10,800円/年)・月払い1,280円/月で、消費税申告は利用できず、レシート撮影は月15件まで無料。パーソナルプランは年払い1,280円/月(15,360円/年)・月払い1,680円/月で、消費税申告(インボイス対応)、電子ファイル保存数の上限なし、レシート撮影月30件までに対応する。パーソナルプラスプランは年払いのみ2,980円/月(35,760円/年)で、レシート撮影月100件まで無料と、操作方法に関する電話サポート(事前予約制)が付く。各プランとも上限を超えるレシート撮影・仕訳は1件あたり20円(税抜)の追加料金がかかる。

青色申告・白色申告のどちらも作成できるが、電子申告(e-Tax)で青色申告を行うと最大65万円の特別控除を受けられる(控除にはマイナンバーカードが必要)。消費税の課税事業者になった個人店は、パーソナルプラン以上でなければソフト内で申告書を作成できない。

向くのは、個人事業主として1店舗を運営し、レシート量・消費税申告の有無でプランを選べる店。法人化を検討している場合は、仕訳データの移行方法を先に確認してから切替時期を決める。

飲食店の決済仕訳量でプランを判断する——計算例

以下は判断の考え方を示す仮の計算例であり、実際の仕訳数は会計ソフトが明細をどこまで自動でまとめて1仕訳として処理するか、POS連携の有無によって変わる。仮に、1営業日あたり「現金売上の日次まとめ仕訳1件」「カード決済の入金仕訳1件」「QR決済の入金仕訳1件」「仕入・経費の仕訳2件」の合計5件が発生すると仮定する。月25日営業なら月125件、年間では約1,500件になる。

この仮定の場合、ひとり法人プランの上限(1会計年度500仕訳まで)を大きく超えるため、現金・キャッシュレス・仕入をこの粒度で記帳する店舗はスモールビジネス以上を検討する判断材料になる。逆に、POS連携で日次の売上をまとめて1仕訳として自動取得できるなら仕訳数は抑えられる可能性があるため、契約前にPOSとの連携範囲を確認し、自店の実際の取引パターンで見積もり直すこと。

弥生・freeeとの料金・機能の違い

法人向けプランは、弥生の新プラン「弥生会計 Next」とも比較できる。弥生側はエントリープラン34,800円/年、ベーシックプラン50,400円/年、ベーシックプラスプラン84,000円/年(いずれも直販価格・税抜)で、マネーフォワードとは年額の刻み方や部門管理・消費税申告対応のプラン境界が異なるため、同じ「エントリー価格」で比較せず、必要な機能がどのプランから使えるかで並べる。

法人向け料金(税抜・年払い月額目安)消費税申告書作成
(ひとり法人〜ビジネス)2,480円〜6,480円/月ビジネスプランのみ対応
弥生シリーズ
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(弥生会計 Next)
年額34,800円〜84,000円(月換算約2,900円〜7,000円)プランごとに公式ページで要確認

個人事業主向けでは、freeeの個人向けプラン(スターター・スタンダード・プレミアム・入力おまかせ)が年払い月額換算でスターター980円、スタンダード1,980円、プレミアム3,316円という情報がある(税区分・月払い額は別途確認が必要なため、この数字をそのまま税込総額として使わない)。銀行・カード明細取得と申告書作成は全プラン対応、消費税申告・詳細レポートはスタンダード以上、電話サポートはプレミアム以上という機能境界があり、マネーフォワードのパーソナルプラン(消費税申告対応)・パーソナルプラスプラン(電話サポート)と役割が近い。弥生の個人向けは、やよいの白色申告オンラインが0円/永年、やよいの青色申告オンラインがセルフプラン年11,800円、ベーシックプラン年22,800円、トータルプラン年39,600円。サポートの有無や消費税申告対応の境界は各社で異なるため、現在使っているレシート枚数・消費税申告の有無を基準に候補を絞る。詳しくはfreee会計の個別解説と弥生シリーズの個別解説も参照する。

開業届・青色申告・消費税届出の期限を会計ソフト選びと同時に確認する

国税庁の案内では、個人事業の開業・廃業等届出書の提出期限は「開業した年分の所得税の確定申告期限」である。青色申告の承認を受けたい場合は原則3月15日までだが、1月16日以降に開業した場合は開業の日から2ヶ月以内という別の期限になるため、開業日によって混同しないこと。開業時から課税事業者として消費税の申告をする場合は、消費税課税事業者選択届出書を開業した年の12月31日までに提出する必要がある。これらの届出期限と、会計ソフトで消費税申告書を作成できるプラン境界(マネーフォワードならビジネスプラン・パーソナルプラン以上)を同時に確認しておくと、開業初年度の手続きが二度手間にならない。

複数店舗・税理士との連携で契約前に確認すること

  • 年間の想定仕訳数、会計を操作する人数、消費税申告をソフト内で完結させるかどうか
  • POSから会計へ渡す売上データの粒度(日次まとめか、決済方法別の個別仕訳か)
  • 税理士・会計事務所を招待するアカウントの権限範囲と、修正・承認の締め日
  • 個人事業主から法人化する場合のデータ移行方法と、切替タイミングでのプラン再選定

複数店舗でのPOS・会計・勤怠の連携設計は複数店舗経営のPOS比較・連携で、請求書発行を別途強化したい場合はMisocaの個別解説を、事業用の銀行口座・カードを見直す場合は事業用口座・カードの比較を確認し、自店の仕訳量・消費税対応の有無を基準に最終的なプランを決める。

毎月の締めは、明細の取得と残高の照合を分ける

口座連携が動いていても、店舗の現金過不足、カード・QRの未入金、仕入先への未払い、棚卸資産まで自動で正しいとは限りません。月末にはPOSの日別・決済別売上を集め、銀行の入金と手数料を突き合わせ、仕入請求書と棚卸表をそろえます。店長が現場の数量と現金を確認し、経理が残高、税理士が税区分や決算上の論点を確認する分担を作りましょう。

導入テストでは、通常売上だけでなく、翌月入金、返品、立替払い、未払仕入の4例を通し、どの処理が自動でどの承認が人に残るかを記録します。実際の締め作業を一度回してからプランと利用者権限を確定すると、機能表だけの選択を避けられます。

出典・確認日

2026年10月14日、以下の公式ページで料金・機能・届出期限を確認した。マネーフォワード側の表示価格は税抜、キャンペーン金額は時限的なため本文では基本料金を基準にしている。2027年6月・2026年12月に予定されている料金体系の一部改定内容は、契約直前に各公式ページで再確認が必要。freeeの月払い額・税区分、弥生会計Nextの消費税申告対応プランは本文中で未確認として扱った。