当ページには広告リンクを含む場合があります。料金・契約・制度は、本文に示した適用条件と出典を確認してください。

個人事業で飲食店を開業し、確定申告まで自分で進めるなら、最初に決めるのは「法人向け会計ソフトではなく個人の確定申告ソフトを選ぶこと」と「1か月のレシート件数を実測してプランを決めること」の2点です。マネーフォワード クラウド確定申告はパーソナルミニ・パーソナル・パーソナルプラスの3段階に分かれ、レシート撮影の上限件数と消費税申告対応の有無でプランが変わります。本稿では飲食店の仕入れ・備品購入の件数を仮定した具体的な試算と、freee・弥生の個人向けプランとの違い、法人化時の切り替え基準までまとめます。
個人の確定申告ソフトと法人の会計ソフトは別物
マネーフォワードには、個人事業主向けの「クラウド確定申告」と、法人・複数名での経理に対応する「クラウド会計」が別製品として用意されています。開業時点で代表者1名の個人事業として申告するなら確定申告ソフトが対象で、法人化や経理担当者を増やす予定がある場合はクラウド会計の検討が必要です。この区別を誤ると、青色申告決算書の作成や消費税申告書といった個人向け帳票が使えない、または逆に法人決算書の作成機能が不要なまま契約してしまう、といったミスマッチが起きます。法人版の料金・プランはマネーフォワード クラウド会計の記事で別途確認してください。
マネーフォワード クラウド確定申告は、電子申告(e-Tax)で青色申告を行う場合に最大65万円の特別控除、書面提出の場合はそれより10万円少ない控除になる旨を公式サイトで案内しています。電子申告にはマイナンバーカードと対応スマートフォンが必要なため、対応機種の確認は早めに行っておくと安心です。
マネーフォワード クラウド確定申告

銀行口座・クレジットカード・キャッシュレス決済の明細を自動取得し、仕訳候補の提案から青色・白色の確定申告書作成までを一つの画面で進められる個人事業主向けソフトです。プランはパーソナルミニ・パーソナル・パーソナルプラスの3段階で、レシート撮影による証憑取り込み件数の上限と消費税申告対応の有無が分かれ目になります。価格は公式サイト表示ですべて税抜きです。
| プラン | 年払い月額(税抜) | 月払い月額(税抜) | レシート撮影上限(月) | 消費税申告 | 電話サポート |
|---|---|---|---|---|---|
| パーソナルミニ | 900円 | 1,280円 | 15件まで(16件以上はプラン変更が必要) | 非対応 | なし |
| パーソナル | 1,280円 | 1,680円 | 30件まで(超過は1件20円・税抜) | 対応(インボイス含む) | なし |
| パーソナルプラス | 2,980円 | 年払いのみ | 100件まで(超過は1件20円・税抜) | 対応(インボイス含む) | あり |
公式サイトは2026年12月に料金体系の一部改定を予定している旨を明記しているため、契約前には最新のプラン条件を公式ページで確認してください。1か月の無料トライアルはクレジットカード登録不要で、終了後に自動的に有料プランへ移行することはなく、入力済みデータはトライアル後も引き継がれます。
飲食店で重要なのは、パーソナルミニの15件という上限が「16件以上になった時点でプラン変更が必要」という設計である点です。パーソナル・パーソナルプラスは超過分を1件20円(税抜)の従量課金で処理できますが、ミニにはその選択肢がないため、仕入れ・備品・交通費のレシートが月15件を超える見込みがあるなら、最初からパーソナル以上を検討したほうが運用が安定します。消費税の課税事業者としてインボイス対応を予定している場合も、パーソナル以上が前提です。レシートや領収書は紙のスキャナ保存、請求書などの電子取引データ保存、仕訳帳や決算書の電子帳簿保存にそれぞれ対応しているため、電子帳簿保存法への対応も含めて検討できます。
飲食店の仕入れ・備品レシート件数を試算する
以下は仮定の数値に基づく試算で、実際の件数は業態によって変わります。前提として、1人で営業する小規模カフェが、青果・精肉などの仕入れレシートを週5枚、消耗品・清掃用品のレシートを月8枚、合計で月38件のレシートをパーソナルプラン(年払い1,280円/月・税抜)で撮影取り込みするケースを考えます。
- 基本料金:1,280円(税抜・年払い)
- 上限30件を8件超過:8件×20円(税抜)=160円
- 合計:1,440円(税抜)/月
この超過分をパーソナルプラス(2,980円/税抜・年払いのみ)への切り替えと比べると、差額は1,700円/月です。超過費用が1,700円に達するのは、超過件数が85件(1,700円÷20円)になったとき、つまり月の総レシート件数が115件前後に達した場合です。月38件程度であれば従量課金のままパーソナルを維持するほうが安く、件数が今後100件規模に増える見込みがあるなら、電話サポート込みのパーソナルプラスへの切り替えを検討する、という判断軸になります。実際の件数は1か月分の運用で実測し、仕入れ先の増減や繁忙期の変動も加味して決めてください。
POS・銀行口座・キャッシュレス決済との連携実務
マネーフォワード クラウド確定申告は、銀行口座・クレジットカードの明細を自動取得し、仕訳候補を提案する機能を備えています。飲食店ではPOSの日次締めと、現金・カード・電子マネー・QR決済のそれぞれの入金が同一日にならないことが多いため、売上計上日と決済手数料の控除、実際の入金日をどの明細で突き合わせるかを、導入後最初の数週間は実データで確認しておくと、月次の数字がずれにくくなります。POSとキャッシュレス決済サービス側の連携設定は個別の契約内容によって異なるため、利用中のPOS・決済サービスの公式情報もあわせて確認してください。
freee・弥生の個人向けプランとの違い
個人事業主向けの確定申告ソフトは他にも選択肢があります。ここでは公式サイトで確認できた範囲の情報を整理しますが、freeeの年払い月額換算額は税込・税別の区分が本稿の取得情報だけでは確認できなかったため、契約前に必ず公式サイトで総額表示を確認してください。
freee会計
個人事業主向けには、スターター・スタンダード・プレミアム・入力おまかせの区分があります。銀行・カード明細の取得と申告書作成はすべてのプランで利用でき、消費税申告や詳細レポートはスタンダード以上、電話サポートはプレミアム以上で使えます。スターターはレシート画像の取り込みが月5枚までという制限があり、マネーフォワードのミニプラン(15件)より少ない点は確認できています。年払い月額換算はスターター980円、スタンダード1,980円、プレミアム3,316円という数値が確認できましたが、税込・税別の別はここでは特定できていないため、契約前に公式サイトの総額表示で確認してください。
レシート件数が少ない開業直後で、消費税申告の予定がないならスターターが候補になりますが、月5枚という上限はマネーフォワードのミニプランより狭いため、仕入れレシートが多い飲食店では早い段階でスタンダード以上が必要になりやすい点に注意してください。インボイス対応や詳細なレポートを使いたい場合はスタンダード以上、初期設定を電話で相談したい場合はプレミアムが候補になります。
弥生シリーズ

個人事業主向けには「やよいの白色申告 オンライン」と「やよいの青色申告 オンライン」があります。白色申告オンラインはセルフプラン(フリープラン)が永年無料です。青色申告オンラインは直販価格(税抜)でセルフプランが年額11,800円、ベーシックプランが年額22,800円、トータルプランが年額39,600円と公式の価格表に明記されています。プラン間の違いはサポート体制(電話・メール・チャット)の範囲が中心で、価格表のページでは機能差よりもサポート内容の差として整理されています。
白色申告のままでよく、サポートを使わずに自力で入力できるなら白色申告オンラインの無料プランが最も低コストです。青色申告で65万円控除を目指す場合はやよいの青色申告オンラインが対象になり、電話サポートまで必要ならトータルプランを検討します。マネーフォワードやfreeeと比べると、弥生は白色申告を恒久的に無料で使える点が特徴ですが、青色申告かつ消費税申告が必要になった場合の機能差は、各社の最新プラン条件を見積もり時に比較してください。
| サービス | 年間目安額 | レシート取り込み上限 | 消費税申告 |
|---|---|---|---|
| 10,800円〜35,760円(年払い一括・税抜) | 15件/30件/100件(プランにより超過課金あり) | パーソナル以上で対応 | |
| 約11,760円〜39,792円(年払い月額換算×12、税込税別は要確認) | 月5枚(スターター)〜上位プランで拡大 | スタンダード以上で対応 | |
| 0円(白色)、11,800円〜39,600円(青色・税抜) | 公式ページに件数上限の明記なし | 青色申告オンラインで対応(詳細はプラン確認) |
法人化を見据えた移行判断
個人事業として開業し、将来的に法人化や複数店舗展開を見込んでいる場合は、マネーフォワード クラウド会計への切り替えタイミングもあわせて考えておくと移行がスムーズです。法人向けの「ひとり法人プラン」は年払い2,480円/月(税抜・新設法人1年目向け)が目安として公式サイトに掲載されていますが、2027年6月に料金体系の一部改定が予定されている旨の注記もあるため、法人化が具体的になった時点で最新の料金を確認してください。詳しいプラン内容はマネーフォワード クラウド会計の記事、freeeの法人版はfreee会計の記事で解説しています。
開業時の届出とあわせて確認する
個人事業として開業する場合、国税庁の案内では「個人事業の開業・廃業等届出書」の提出期限は開業した年分の所得税の確定申告期限です。青色申告の承認を受けるための「所得税の青色申告承認申請書」は原則として3月15日まで、開業日が1月16日以降の場合は開業の日から2か月以内という、開業届とは別の期限が設定されています。開業時からインボイス発行事業者として登録する場合は、登録後2年間は課税事業者として消費税の申告が必要になる点も公式ページに明記されています。確定申告ソフトの契約タイミングは、これらの届出スケジュールとあわせて決めると、青色申告控除を取りこぼさずに済みます。
導入前の確認リスト
- 個人事業として申告するのか、法人としてクラウド会計を使うのかを先に決める
- 1か月分の仕入れ・備品レシート件数を実測し、プランの上限と超過課金条件を確認する
- 消費税の課税事業者・インボイス登録の予定の有無を確認する
- 利用中の銀行口座・クレジットカード・POSが希望する形で連携できるかを公式サイトで確認する
- 税理士に依頼する場合は、利用ソフトとデータ共有方法を先に相談する
請求書発行まで必要な卸売や法人取引がある場合はMisocaの記事も参考に、請求書ソフトと確定申告ソフトの役割分担を決めておくと二重入力を避けやすくなります。
出典・確認日
2026年10月14日時点の公式サイト記載内容をもとに作成しています。freeeの年払い月額換算額の税込・税別区分、弥生のオンライン確定申告製品のレシート件数上限など、本稿の取得情報だけでは確認できなかった項目は「要確認」と明記しました。契約前には必ず各社公式サイトの最新情報をご確認ください。