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居抜き物件の内見チェックリスト|造作譲渡と設備故障に関する準備のイメージ

居抜き物件の価値は「残っている設備の数」ではなく、「自店の営業にそのまま使えるか」と「故障・撤去の負担を誰が負うかが書面で明確か」の2点で決まります。内見では写真を撮るだけで判断せず、型番・年式・動作・所有者・撤去条件を一覧化し、契約書に反映させる必要があります。本記事では内見当日の確認手順と、造作譲渡契約に残すべき項目を具体的に示します。

内見前に用意するもの

内見当日は、現在検討中のメニュー構成と必要な厨房機器のリスト、席数・客席レイアウトのイメージ、スマートフォンまたはメジャーを持参します。J-Net21の解説にもあるとおり、店舗物件は面積・立地・賃料・設備の4方向から検討するべきものであり、居抜きの設備が自店のコンセプトに合わなければ、譲渡価格が安くても撤去・入替えの費用がかかります。内見前に「このメニューにはどの機器が必須か」を決めておくと、現地で確認すべき項目が絞られます。

内見当日に確認する項目

確認場所確認すること見落とした場合の影響
造作譲渡の対象設備型番・年式・台数・所有者、リース品の有無、保証の有無使えない設備や返却義務のあるリース品を引き継いでしまう
厨房機器通電・点火・冷却・排水を実演で確認。修理履歴と部品供給の可否開店直後の故障、買替え・工期の追加
給排水・ガス・電気契約容量、メーター、分電盤、配管経路、グリストラップ、漏水跡容量不足による追加工事、床・壁の解体工事
排気・空調フード・ダクトの経路、排気先、給気、臭気・騒音、フィルターの清掃状態近隣対応の追加工事、防火区画の見直し
退去条件スケルトン返しの要否、残置可否、指定業者、原状回復の範囲想定外の撤去・復旧費用の発生

造作譲渡契約に残すべき項目

造作譲渡の対象物は口頭で済ませず、写真・型番・数量を別紙に明記します。その上で、現状有姿での引き渡しなのか、引渡し前に修理するのかを契約書に明記してください。リース品・レンタル品・貸主所有物は譲渡対象から外し、別途誰が撤去・返却するかを決めます。撤去が必要になった場合の費用負担と期限も契約時に決めておくと、開店直前に想定外の出費が発生するリスクを減らせます。最後に、賃貸借契約の飲食店営業可否、工事承認の範囲、原状回復の条件と、造作譲渡契約の内容が矛盾していないかを確認します。物件契約そのものの確認事項は飲食店の物件契約前チェックリストで整理しています。

消防関連の確認と届出のタイミング

使用開始や工事に関する届出は、所在地の火災予防条例などで対象・期限・様式が決まります。前の営業者が届け出ていても、自店の使用開始や変更について改めて確認が必要です。居抜き物件で前の店舗が同様の用途で使用していた場合でも、収容人員や火気設備の内容が変わる場合は、内見後・契約前の段階で消防署へ相談し、必要な届出・設備基準を確認してください。消防への相談結果は、造作譲渡で引き継ぐ設備(厨房機器・フード・ダクトなど)がそのまま使えるかどうかの判断材料にもなります。

内見後、契約前にすること

  • 提供メニューと厨房配置を平面図に落とし、保健所へ事前相談する
  • 火気設備・収容人員・工事内容を消防署へ相談する
  • 設備業者に現地調査を依頼し、残置設備の利用可否と追加工事の見積もりを取る
  • 造作譲渡額だけでなく、修理・撤去・原状回復まで含めて資金計画を更新する

内装・厨房機器の追加工事が必要になった場合の費用構造は飲食店の内装工事費はいくら?居抜き・スケルトン・見積もり比較の進め方で確認し、造作譲渡額と追加工事費を合算した金額を創業計画に反映させてください。

資金計画への反映と融資の検討

造作譲渡額・修理費・撤去費・原状回復費を合算した金額が当初想定より増えた場合は、創業計画書の資金計画を更新します。日本政策金融公庫の創業計画書は、創業の動機・取扱商品・取引先・資金計画・収支計画を一つの書式にまとめる形式で、公式サイトでPDF・Excel形式のテンプレートと書き方の動画解説が公開されています。新規開業・スタートアップ支援資金は、新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方を対象とし、設備資金・運転資金あわせて融資限度額7,200万円まで申込みが可能です。居抜き取得にあたって想定外の設備費用が生じた場合は、この資金計画の更新を先に行い、融資申込みの前に数字を確定させてください。資金調達全体の進め方は飲食店の資金調達の進め方、開業費用の内訳全体は飲食店の開業費用はいくら?規模別内訳と運転資金で確認できます。

設備を動かせない内見での扱い

電気やガスが止まっていて動作を試せない機器は、「問題なし」ではなく「動作未確認」と記録します。売主の口頭説明と現地で確認できた事実を別にし、再通電後の再内見、専門業者の点検、故障が判明した場合の代金調整や撤去費の負担を、契約前に協議してください。

冷蔵庫なら通電直後だけでなく庫内温度が下がるか、製氷機なら給排水と製氷ができるかなど、機器ごとに確認項目が異なります。点検費用を惜しんで譲渡額だけで決めると、営業に使えない設備の撤去と新品購入が重なる可能性があります。点検が終わらないまま契約する場合のリスクも、資金計画に残しておきましょう。

出典・確認日

確認日:2026年10月14日。J-Net21の店舗物件選定と日本政策金融公庫の資金計画の案内を参照しています。届出の要否・期限・設備基準は所在地の条例と建物条件によるため、管轄消防署・保健所へ図面と営業計画を持参して確認してください。