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風営法とは?「接待」の定義と風俗営業許可の必要書類を徹底解説に関する準備のイメージ

風営法の適用は店名ではなく「接待をするか」「遊興させるか」「深夜0時以降も営業するか」という営業実態で決まります。接待をしながら深夜0時以降も営業することは原則できないため、開業前に営業スタイルの方向性を先に固め、風俗営業許可・特定遊興飲食店営業許可・深夜酒類提供飲食店営業届出のどれに当たるかを、物件を管轄する警察署の生活安全課に確認しておくことが欠かせません。

風営法が定める3つの区分と「許可」「届出」の違い

風営法は営業内容に応じて3つの区分を設けています。接待飲食等営業・遊技営業(風俗営業1号〜5号)と特定遊興飲食店営業は、営業開始前に都道府県公安委員会の「許可」(窓口は所轄警察署)を受ける必要があります。これに対し深夜酒類提供飲食店営業は、所定の届出書を提出すれば足りる「届出」制です。「許可」は事前に欠格事由や構造基準の審査を受けるもので、不許可や取消しの可能性がありますが、「届出」は営業開始10日前までの届出に加え、場所や構造などの要件を満たす必要がある点で手続きの重さが異なります。どちらに当たるかを取り違えると、無許可営業や無届出営業として摘発の対象になりかねません。

風俗営業1号〜5号の区分と対象業態

区分営業の内容具体例
1号営業設備を設けて客に「接待」をし、遊興または飲食をさせる営業キャバクラ、ホストクラブ、スナック、社交飲食店
2号営業照度10ルクス以下で飲食させる営業(接待なし)低照度バー
3号営業見通しの困難な5㎡以下の客席を設ける営業(接待なし)個室型カフェなど
4号営業射幸心をそそる遊技をさせる営業麻雀店、パチンコ店
5号営業遊技設備を備える施設ゲームセンター

飲食店の開業で関係しやすいのは1号〜3号の「接待飲食等営業」です。4号・5号は遊技場が対象で、通常の飲食店は該当しません。なお令和7年5月、悪質ホストクラブ問題を背景に風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営適正化法)の改正法が成立し、令和7年11月28日までに全面施行されています。改正は悪質な営業行為への規制強化が主眼であり、本記事で挙げた区分や判断の基本的な枠組みに変更はありませんが、最新の条文や運用は警察庁の案内で確認してください。

「接待」にあたる行為・あたらない行為

風営法上の「接待」とは、歓楽的雰囲気を醸し出す方法で客をもてなすことを指します。特定少数の客の近くにはべり継続して談笑の相手をする、酌をする、ショーや歌唱を特定少数の客に見せる・聞かせる、客と一緒に遊戯やゲームを行う、社交儀礼を超えて客の身体に接触する、といった行為が該当します。ダーツバーのように店員が客と一緒に遊技に加わる場合も接待に含まれる点は見落とされがちです。一方、注文に応じて酒類を提供してすぐ立ち去る行為、カウンター内で注文対応をするだけの行為、社交儀礼上の挨拶や短い世間話程度の行為は接待に当たりません。ホテルのディナーショーのように不特定多数の客に同時に見せるショーも接待には該当しません。

特定遊興飲食店営業と深夜酒類提供飲食店営業の違い

特定遊興飲食店営業は、深夜0時以降に客にダンスやショー鑑賞、生演奏の鑑賞といった「遊興」をさせ、かつ酒類を提供して飲食させる営業です。接待はできませんが、風俗営業1号と違い深夜0時以降も営業を続けられる点が特徴です。ただし営業可能な終了時刻は地域の条例によって差があるため、「全国どこでも午前5時まで営業できる」とは限らず、管轄警察署に確認が必要です。ダーツやビリヤードは、設置だけで判断せず、設備や遊び方に応じて遊技場営業等に当たらないかも確認します。店側がイベントを主催して積極的に遊び興じさせると特定遊興飲食店営業に該当する可能性があり、客が自主的に遊ぶだけで店側が特に働きかけない場合は「遊興」に当たらないとされています。深夜酒類提供飲食店営業は、他の風俗営業区分や特定遊興に該当しない深夜の酒類提供営業で、常態として通常主食を提供する営業などの除外を踏まえて届出対象を判定します。単に酒類売上の比率だけで決めません。深夜営業に別途必要な届出の詳細は、こちらの記事で確認できます。

自店の営業スタイルから手続きを判断する

接待の有無と深夜0時以降の営業の有無を軸に整理すると、必要な手続きは次の4パターンに分かれます。グレーゾーンだと感じたら営業を始める前に警察署へ相談してください。

パターン接待深夜0時以降の営業必要な手続き
Aするしない風俗営業許可(接待を行う場合は1号)
Bするしたい原則両立不可。深夜営業を取るなら接待を取りやめ、深夜酒類提供飲食店営業の届出に切り替える
Cしない(遊興させる)する特定遊興飲食店営業許可
Dしない・遊興もさせないする(酒類提供のみ)深夜酒類提供飲食店営業届出

許可申請に必要な書類

風俗営業・特定遊興飲食店営業の許可申請は、営業所ごとに次のような書類をそろえます。

書類ポイント
許可申請書・営業の方法を記載した書類風俗営業と特定遊興飲食店営業で様式が異なります(別記様式第1号・第40号など)。
使用権原を疎明する書類賃貸は使用承諾書・賃貸借契約書と建物登記事項証明書など。
営業所の平面図・周囲の略図客室面積や照度基準を確認するための図面です。
申請者本人の住民票・身分証明書・誓約書個人・法人で必要書類が異なり、法人は定款・登記事項証明書、役員・管理者等について所定の書類が必要です。
管理者に関する書類誓約書、住民票、身分証明書、写真2枚(申請前6か月以内に撮影した無帽・正面・上半身)が必要です。

詳しい必要書類は警視庁の案内ページで確認できます。管轄が異なる場合は、都道府県警察本部のリンク一覧から出店予定地の警察本部を確認してください。

欠格事由と無許可営業のリスク

風営法では営業者・管理者になれない人(欠格事由)が定められています。破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者、1年以上の拘禁刑に処せられた者や一定の罪で1年未満の拘禁刑・罰金の刑に処せられてから5年を経過しない者、集団的・常習的に暴力的不法行為を行うおそれのある者、アルコール・麻薬・大麻・あへん・覚せい剤の中毒者、心身の故障により業務を適正に実施できない者、許可を取り消されて5年を経過しない者などが該当します。法人の場合は役員にこれらの事由がある者がいないことも求められます。無許可で接待飲食等営業や特定遊興飲食店営業を行うことは刑事罰の対象となるほか、許可を受けた営業でも違反内容に応じて行政処分が行われます。立入検査は許可取消しとは別の監督手続きです。具体的な量刑は個別の事情によるため、ここでは数字を断定せず、必ず管轄警察署に確認してください。居抜き物件だからと安易に判断せず、前の営業者の許可区分と自店の営業内容を個別に照合することが重要です。

開業前に確認したいことと関連する許認可

  • 出店予定地が風俗営業の許可対象エリアか(東京都などでは条例で営業禁止地域が定められています)
  • 客室の床面積・照度・見通しなど設備基準を満たせる物件か
  • 接待をするのか、深夜営業を優先するのか、営業スタイルの方向性

風俗営業許可を取得しても飲食店営業許可は別途必要です。また風俗営業や特定遊興飲食店営業に該当する場合、防火対象物の用途区分が変わり消防署への届出や防火管理者の選任基準に影響することがあるため、内装や運営ルールを固める前にどの区分に該当するかを整理しておきましょう。少しでもグレーだと感じたら、営業を始めてから困る前に所轄警察署の生活安全課へ必ず相談してください。

出典・確認日

2026年10月14日時点で下記の公式情報を確認しました。無許可営業の具体的な罰則の数値、特定遊興飲食店営業の終了時刻の全国的な扱いなど、地域差や個別事情によって変わる点は本文中で断定せず「要確認」としています。